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事業戦略 Business Strategy

市場の成長性

少子高齢化が進む日本社会において、多くの業界で若手の人材不足、人材の高齢化への対応は慢性的な課題の1つです。特に建設業界では、年間約60兆円で推移するインフラ需要(※1)に対して、2025年には必要な技能労働者数が90万人不足するという予測もされており(※2)、2024年4月に控えた「働き方改革関連法」の対応に加えて、人材の確保はもちろんの事、効率的な作業現場体制作りが求められています。

更に、2021年の労災死亡者全体の43.3%が60歳以上の高齢者、また労災死亡者の30%が建設業となっており、危険な現場から離れて安全な作業環境の対策もまた喫緊の課題です。

このような課題に対して、国交省が主導し、現場の省人化に向けたICT施行に関する業界での研究開発が進められており、建機の自動運転や遠隔自動化への取り組みは、大手建機メーカーをはじめ建設土木業界全体の課題として、研究開発が行われてきました。しかし、多種多様な建機が使用される現場においては、メーカーの垣根を超えた汎用的なシステムへの期待があります。

こうした動きは、建機の遠隔・自動化は、日本のみならず先進国や一部のアジア諸国でも起きており、今後グローバルで市場の成長が期待できます。

※1 国土交通省 最近の建設業を巡る状況について【報告】
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000992615.pdf
※2 国土交通省 「建設業界の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf

戦略について

ARAVは設立以来、ソフトウェア制御、ロボット工学などの技術とそれらを実装するインテグレーション力を活かして、建設機械をはじめとした各種機械・装置の遠隔操作・自動運転ソリューションを開発しています。

当社が開発したマルチベンダー対応の遠隔操作装置『ModelV』は、建機のメーカーに縛られず、 後付けで取り付けができるもので、市販されている建機の84%(※3)に対応が可能です。すでに、40社以上と共同実証実験を行っており、提供台数増加に向けた生産体制強化を段階的に進めています。

更に、このModelVを支えるのが、運転席の操作機器を要素分解し、各項目が通信可能なAPIを付加する Machine Gateway Hub です。ModelVのようなマルチベンダー対応の遠隔装置を普及させるとともに、他社アプリと接続可能なオープン・プラットフォームとなることで、建設・ 土木業界のみならず、遠隔・自動化ニーズのあるさまざまな分野の機械・機器への展開を進めていきます。

また、建機等の大型機械の実証実験のリスク低減を目的に、建設機械および現場環境を再現するシミュレータ開発技術を活用する国内初の建機オープンソースとなる開発エミュレータ『OCS : Open Construction Simulator』を公開するなどして、独自のプラットフォームを中核に、各社の開発環境も支援するオープン・クローズ戦略をとりながら、社会・業界の課題解決に貢献していきます。

本格的な量産製品の開発・サービスの立ち上げはもちろんのこと、自社プラットフォーム技術を横展開し、建設・土木業界と同じく、人材不足等の課題を抱える海運、林業、除雪、農業、港湾等の他業界のDX促進へと広げていく予定です。

※3 自社調べによる。

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